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GCAP:グローバル・コンバット・エア・プログラムとは

開発中の次世代戦闘機(防衛省HPから) 最新の動向

 

GCAP:グローバル・コンバット・エア・プログラムとは日本、英国、イタリアの3か国が共同で開発する第6世代の戦闘機の共同開発を目的としたプログラムです。

そもそも米国との共同開発はどうなったのか、なぜ英伊との共同開発になったのか、そして、今後の計画などについて解説します。

 

GCAP:グローバル・コンバット・エア・プログラムとは

GCAP(Global Combat Air Programme)(ジーキャップ):グローバル・コンバット・エア・プログラムは、日本、英国、イタリアの3か国が共同で開発する第6世代の戦闘機の共同開発を目的としたプログラムです。2022年12月に発表され、先進技術を基にした革新的なコアプラットフォームの開発を予定しています

GCAPは、すでに英国で開発が進められていたチーム テンペスト (Team Tempest) を基盤としています。

2018年以来 BAE Systems、Leonardo UK、MBDA UK、Rolls-Royce、そして英国防省がパートナーシップを組み「チーム テンペスト」として、次世代戦闘航空システムの調査、評価、開発を実施してきました。

GCAPでは、英国のチームに日本のIHI、三菱電機、三菱重工、イタリアのAvio Aero、Elettronica、Leonardoの各社が加わり、共同で次世代戦闘航空システムの開発にあたります。

2035年までの配備開始を目指しており、イギリス空軍とイタリア空軍で運用中のユーロファイター タイフーン、航空自衛隊のF-2と置き換えることを目的としています。

開発担当としては

イギリスはBAEシステムズを主契約者としてロールス・ロイスがエンジンを、レオナルド S.p.Aが電子機器を、MBDA UK(英語版)がミサイルを担当する。

日本は三菱重工が主契約者となりIHIがエンジンを、三菱電機が電子機器を担当する。

イタリアはレオナルド S.p.Aが主契約者となりアヴィオ・エアロがエンジンを、MBDAがミサイルを担当することとなっていま

GCAPの模型(防衛省HPから)

GCAPの模型(防衛省HPから)

米国企業との共同はどうなったのか

国際協力に際して、当初は、日本政府や関係企業は、2020 年 1 月頃から、日米協力を軸に、米国企業から技術支援を受ける方向で米国側と協議を進めていました。

しかし、戦闘機開発で有力な米国のロッキード・マーティンの提案(F-22 をベースに F-35 の特性を採用するという提案)は、日本側にとって「我が国主導」とする観点等から受け入れ難く、

さらに、米国側が先端技術の情報開示に慎重な姿勢を崩さず、また、日米で開発のタイミングも合わないなどの問題があったとされています。

日本としては、2007 年頃以降、F-2の生産終了を控えて日本の防衛産業における戦闘機関連の技術継承や人材維持が課題となる中で、次期戦闘機の開発の問題が本格的に議論されるようになっています。

次期戦闘機の開発形態に関して、従来は日本が独自に開発する選択肢を保持する方針が示されてきましたが、2018 年 12 月の「中期防衛力整備計画(平成 31 年度~平成 35 年度)」では、F-2の退役時期までに「将来のネットワーク化した戦闘の中核となる役割を果たすことが可能な戦闘機」を取得するとし、

「国際協力を視野に、我が国主導の開発に早期に着手する」との方針が示され、当初は米国企業との協力を視野に検討が進んだものの、前述の通り条件が合わず、英伊との共同開発に切り替わりました。

 

なぜ英伊との共同開発になったのか

・日英伊の得意な分野の技術を結集して、より高性能の戦闘機を開発する。

・莫大な開発費用のリスクを1国で負担するより3カ国で負担した方がリスク低減になる。

・将来の輸出などを考えた場合、英伊と共同開発した方が英伊の影響力やNATOとの繋がり、バーゲニングパワー、輸出ノウハウによってより輸出の可能性が高くなるし、1国で完結するより3カ国+輸出で製造機数が圧倒的に多くなり、1機当たりのコストも下がる。

・英伊の先端技術をそれなりに入手することが出来る。

・多数の国が使用するようになれば、運用上や、戦術的なノウハウが蓄積されやすくなる。

・共同開発することで英伊との軍事的な結びつきや協力関係がより強固になる。

 

今後の計画

2024年に各企業、各国の詳細な開発、費用分担を決定し、2030年に初号機の製造、2035年に初号機が納入される予定。

防衛省として、次世代戦闘機に求める能力としては、

・量に優る敵に対して、高度なネットワーク構築により対抗

・将来的には無人機との連携

・米軍とも連携したネットワーク

・ステルス性能

・ハイパワーレーダーや高度な赤外センサー

などを挙げています。

これまでの経緯と今後の計画(防衛省HPから)

GCAPこれまでの経緯と今後の計画(防衛省HPから)

 

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