自動警戒監視システム(JADGE:Japan Aerospace Defense Ground Environment)は、航空機への指揮命令や航跡情報などの伝達・処理を自動で行う、全国規模で展開する防空のためのシステムで、日本周辺空域の常続的な警戒監視、敵味方の識別、戦闘機等の管制などを行うためのシステムです。
自動警戒監視システム(JADGE)の概要
2009年7月1日に運用が開始され、航空自衛隊の自動防空警戒管制組織であるBADGE改システムの後継として換装されました。弾道ミサイルの探知情報を一元的に処理し、適切な迎撃方法を判断する役割を担っています。また、海自イージス艦による上層での迎撃と空自のペトリオット PAC-3による下層での迎撃を連携させる役割も果たしています。
BADGE改システムからの改良点としては
・分散処理アーキテクチャの採用。
・地上回線の強化:作戦用通信回線統制システム(TNCS)の整備。
・他システムとの互換性強化のため防衛省コンピュータ・システム共通運用基盤(Common Operating Environment:略称COE)と防衛情報通信基盤(Defense Information Infrastructure:略称DII)の採用。
・上記ににより、海上自衛隊の海上作戦部隊指揮管制支援システム(Maritime Operation Force System:略称MOFシステム)や陸上自衛隊の師団通信システム(Division Integrated Communications System:略称DICS)との相互運用性が向上。
・JADGEは、ミサイル防衛作戦において、3自衛隊の共通指揮システムとして運用されることとなっている。
今後の運用など
BMDでは、最初に空自の地上レーダーや海上自衛隊のイージス艦のレーダーなどが弾道ミサイルの航跡を探知。
日本の領土、領海に落下する場合は、イージス艦搭載の迎撃ミサイル(SM3)や地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)で迎え撃つことになりますが、
JADGEは、BADGE改システムに弾道ミサイルへの対応機能を付加。各レーダーの情報を集約し、弾道ミサイルなどの識別や落下地点の計算、迎撃方法の選定を自動的に行い、イージス艦のシステムなどに伝達する。
米軍の通信システムとも連接し、最終的には航空総隊(東京都府中市)で指揮官が迎撃の可否を判断するとされています。
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