イージスアショアが導入されるそうですがTHAADではダメなんですか

北朝鮮の度重なる弾道ミサイル実験に対して、来年度予算の概算要求でイージスアショアを導入するための費用を盛り込むということですが

なぜイージスアショアなのでしょう、THAADではダメなのでしょうか

スポンサーリンク

イージスアショアとは

イージスアショア(イージス陸上型)は海上自衛隊が保有しているイージス艦が持っている、イージスシステムをそのまま陸上に持ってきたものです。

イージスアショア
イージスアショア

つまりイージス艦の搭載されているSPY-1レーダーとSM-3ミサイルシステムを陸上に設置した形となります。

主な性能としては

現在保有している迎撃ミサイルSM-3ブロック1Aの場合

射程1200km
高度500km

更に今後導入予定のSM-3ブロック2Aの場合

射程2000km
高度1000kmまでカバー出来ることになります。

イージスアショアの射程範囲

イージスアショアを2箇所に設置すれば、日本の全土が完全にカバーされることになります。

イージスアショアは1基、約800億円、2基で1600億円程度で配備が可能です。

その他基地整備費などが別途必要になります。

イージスアショアが現在、整備されているのはルーマニアのDeveseluとポーランドのRedzikowoの2箇所になります。

ルーマニアのDeveselu
ルーマニアのDeveselu

ポーランドのRedzikowo
ポーランドのRedzikowo

スポンサーリンク

THAADとは

THAADとはTerminal High Altitude Area Defense missileの略で、アメリカ陸軍が開発した弾道弾迎撃ミサイル

THAADミサイル
THAAD

射程約200km
最大高度40~150km

THAADで日本全国をカバーするためには、最低6基程度は必要になります。

1基約1000億円と言われ6箇所に配備するとなると、THAADシステムだけで6000億円程度が必要になります。

THAAD配備イメージ
THAADで日本全土を守る場合の例

イージスアショアとTHAADの比較

イージスアショアの方が射程が長い

イージスアショアの方が射程が圧倒的に長く、2基で日本全土をカバー出来るのに対して

THAADは射程が短く、少なくとも6基は必要になります。

また、ミサイルの射程は実際にはお椀をひっくり返したドーム状になりますから、安全を期すならオーバーラップ(重なり)を儲ける必要があり、配備数を更に増やす必要があるかもしれません。

ドーム状になるミサイルの射程のイメージ

上図はミサイル防衛のイメージ

射程が20kmといっても20km先では限りなく地上に近い所で迎撃することになりますから、地上に被害が出る可能性もあります。

価格の違い

イージスアショアは1基800億円、2基有れば日本全土をカバーしますが、THAADは1基1000億円、最低でも6基程度は必要ですので、トータルすると莫大な金額になってしまいます。

隊員の確保

イージスアショアの場合は2箇所の設置で済みますが、THAADの場合、6箇所に配備するとすれば、THAADを操作する隊員も6箇所分確保する必要があります。

単純比較は出来ないですが、設置箇所が多くなれば、その分多くの隊員を確保する必要があり、あるいは設置場所の確保も必要になって来るでしょう。

異なるシステムの方が有利?

イージスアショアもTHAADもイージス艦が撃ち漏らした弾道ミサイルを迎撃する訳ですから

万一、イージス(SM-3)で対応出来ない弾道ミサイルの場合は、異なるシステムのTHAADの方が迎撃出来る可能性があります。
(実際にそのような性能の差があるかは不明)

イージスアショアが導入された場合の日本のBMDのイメージ

まとめ

イージスアショアとTHAAD

射程の長さ(カバーエリアの広さ)や現実問題として調達予算、隊員や自衛隊の組織に対するインパクトを考えると、現状ではイージスアショアの選択が妥当なものと考えられます。

イージスアショアを秋田と山口に設置へ

2018.8追記

その後の政府の計画では秋田と山口の陸自基地内にイージスアショアを配置することになりました。

2018.7末の計画では

イージス・アショア取得価格が2基で計2679億円になると発表。これまで1基1000億円弱としていた見積もりを大きく上回ったのは従来のイージス艦よりも探知能力が倍以上の新型レーダーを選定したことによります。

これまで搭載するレーダーは従来型のSPY-1ではなく、新型のレイセオンSPY-6とロッキード・マーティンSSRが候補に挙がっていました。

レイセオンSPY-6:SPY-1の後継として開発されたイージス艦用レーダー。2022年から就役し始めるアーレイ・バーク級フライト3への搭載が予定されている。

ロッキード・マーティンSSR:2020年にアラスカ配備予定の早期警戒レーダーLRDRを元に、レーダーパネルを小型化しイージス・システムと連結したもの。

両者を比較するとレーダーそのものはSSRが開発に先行しているものの「戦闘システム」としてはSPY-6が開発に先行しているといわれています。

SSRはLRDRとイージスを連結したものですがシステム結合作業はつい最近始まったばかりのレーダーです。

昨年の段階でSSRは公表されておらず、日本側はSPY-6を購入する希望をアメリカ側に伝達。

2017年8月30日にロイターが伝えたところによると、(海上自衛隊との信頼関係が厚い)海軍は問題ないとしたものの、ミサイル防衛局が2022年に実戦配備するイージス艦用の新型レーダーを僅か1年後に同盟国に渡すことに難色を示したとされています。

新聞報道によれば防衛省としてはSSRを搭載する方針を固めたとのこと

完成は今のところ2023年度の予定

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする