韓国艦艇によるレーダー照射事件について、その後の報道や、情報から、韓国の艦艇が北朝鮮の工作船を支援していたか、あるいは逆に、北朝鮮政府の依頼により、脱北などに使われた北朝鮮工作船を拿捕している現場を海上自衛隊のP-1哨戒機に見られたので、慌てて、射撃管制レーダーを照射して追い払おうとした疑念が深まっています。
韓国政府の公表した動画から、北朝鮮の漁船は工作船だった可能性が浮上
北の漁船は工作船だったのではないか
韓国の駆逐艦「公開土大王」らが救助していた北朝鮮の漁船は、最初の頃から、一般的な北朝鮮の漁船にしては大きすぎ、母船か何かだったのではないかといわれていましたが
韓国政府の発表した動画に撮影されていた画像を見た専門家から、北朝鮮の工作船ではないかという疑問が出されています。
また、大和堆で北朝鮮の漁船をよく見るという漁民も
テレビのインタビューに
「あのような立派なアンテナが立っている北の漁船はあまり見たことが無い」
などとのコメントをしていました。
韓国政府の公表した動画
韓国政府の公表した動画で、韓国側が撮影したのは最初の方に出てくる10秒余りのみです。
ハッキリは分かりませんが不自然な高いポールが前後に立っており、このポールの間に短波(HF)のアンテナがつながっているようにも見えます。
短波無線であれば数百キロから数千キロの到達距離があり、遠距離での通信が可能です。
公開土大王が救助していたとされる北朝鮮の漁船?
この海域に韓国の艦艇と海上警察の船が揃っているのは不自然
日本海の真ん中に韓国の艦艇と海上警察の船が同時にいるのは不自然
韓国の沿岸であれば別ですが日本海の中央付近のこの海域に何の目的で韓国の艦艇と海洋警察(両方とも大型の船)がいたのか、客観的に見ると極めて不自然です。
海洋警察の船だけならまだしも、韓国の艦艇はおそらく前の週に行われていた竹島防衛訓練に参加していたはずです。
普通であれば、演習が終われば母港に帰るか次の訓練に備えてどこかの港あるいは訓練海域に進出しているはずですが、なぜか本国とは反対方向の日本海の真ん中にフラフラと出てきているのですからいったい全体何しに来たのという感じがします。
前回の記事で、竹島防衛演習を終えて、乗員の反日意識が高まっていたのではないかなどとボケた可能性に言及しましたが
前回の記事
韓国海軍艦艇による海自P-1への射撃管制レーダー照射事件を解説
韓国といえども、国際法に関しては敏感なはずの海軍の艦艇が、国際問題になりかねないことを安易に行うはずもなく
ましてや、艦長はイギリスの海軍大学に留学していたエリートということですからなおさら、一時期の感情に駆られてということは考えにくいと思います。
となればやはり何らかの目的があってレーダー照射をしたと考える方が自然です。
韓国公開土大王級駆逐艦
救助活動だとすれば艦艇がいるのは不自然
前回の記事への追記で、韓国の艦艇と海洋警察の船があの海域にいたのは
「北朝鮮本国から、韓国政府への要請があり救助に向かっていた」
のではないかとの推定を追加しましたが
ではなぜ、海洋警察の船だけでなく、海軍の艦艇が一緒にいたのか???
しかも、たかだか漁船の遭難のために北朝鮮が韓国に救助の依頼をするのか
これもよく考えると不自然です。
となると、あの現場にいたのは、北朝鮮の工作船の可能性があること
そして海軍の駆逐艦を一緒に現場に向かわせたことから想像をたくましくすると
あの時行っていたのは救助ではなく、拿捕しに行ったと考えるのが自然です。
韓国艦艇は脱北した乗員が乗る工作船を拿捕するのに必要だった
かって日本で北朝鮮の工作船の騒ぎがあった時、あとから工作船を海底から引き上げてみると
ロケットランチャー(対戦車砲)や対空機関砲まで装備されていました。
今回の事件に関わった北朝鮮の「漁船」が北朝鮮の工作船であった場合
高速での逃走が可能であることや
反撃のための武器を搭載していた可能性が当然あったわけです。
海上警察の5000トン級警備救難艦「5001 参峰号(サンボンギョ」であれば、シーバルカン20mm多銃身機銃と70口径40mm連装機銃を搭載しているので対応可能とも思えるのですが
工作船乗員が抵抗したり、一発食らった場合に備えて、海軍の艦艇(公開土大王)を随伴させて万全を期した
さらに勘ぐれば、海自の哨戒機に発見されることも想定していたのかもしれません
(海軍艦艇であれば対空レーダーなどであらかじめ海自の哨戒機の接近を探知できる)
海上警察警備救難艦「5001 参峰号(サンボンギョ」
乗員が4人しかいないのも不自然
韓国の報道によれば、乗組員1人が死亡し、3人が餓死近い状態で発見されたといいます。
また、韓国の最初の頃の発表では、北朝鮮の漁船は1トン未満の小型木船とされていましたが
韓国の公表した動画や海自の公表した動画からは、どう見ても十数メートルはある漁船ですから、通常であれば少なくとも10名程度の乗員はいたはずです。
他の乗員はどうしたのか?
もちろん亡くなった後、水葬にした可能性もありますが、動画の漁船はそれほど損傷している様子もなく、大和堆で漂流しているイカ釣り漁船ならイカを釣ってしのぐことも可能でしょうし
発見した1日後には、餓死寸前としている乗員を板門店で北朝鮮に引き渡していることからして、それほど重篤な状況でもなかったのではと想像してしまいます。
そうなると、最初から脱北目的の4名しか乗っていなかったと考えたほうがつじつまが合うわけです。
救助された?北朝鮮の漁船、4名乗り組み・・・?
まとめ
韓国の主張する、北朝鮮の遭難漁船を救助していたという話は、どうやって遭難の事実や場所を知ったのか、
そして「救助」している海域に、海軍と海上警察の最大クラスの艦船がなぜ一緒にいたのか
なぞは深まるばかりです。
となると、北朝鮮の武装しているかもしれない脱北工作船を拿捕しに向かっていたと考えても不思議ではなく
逆に韓国側のちぐはぐな説明や、なぜいきなりレーダー照射したのか説明がつかないことなどからすると、あながち奇想天外な空想物語とも言えないような気がします。
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