韓国防衛事業庁は2018年6月25日に防衛事業推進委員会を開催し、次期海上哨戒機について、米ボーイングのP-8Aを「対外有償軍事援助(FMS)」方式で購入することを決めたと明らかにしました。
米海軍P-8A(wikiより)
FMSで導入する意味は
FMSとは Foreign Military Salesの略で対外有償軍事援助と言われるものです。
アメリカ国防総省が行っている対外軍事援助プログラムで、アメリカ製の兵器の取得や教育訓練等の役務を有償で提供を受けるもので
輸出窓口が兵器製造メーカー等ではなく、合衆国政府(アメリカ国防安全保障協力局)が直接の窓口になっています。
取引の大口化により価格が割安になり、合衆国政府が窓口になることにより教育・訓練の提供を受けることができるといった利点がありますが、
対価は前払で、納期が明確で無く年単位で遅れることもあり、価格は見積もりで、後から値段が高騰することもあります。
まあ、お金はかかる場合がありますが、ややこしいこと無しに、米国製の兵器が訓練や整備がセットで導入できるというメリットが有ります。
韓国海軍の哨戒機導入これまでの経緯
韓国海軍は現在P-3C×8機、P-3CK×8機
合計16機のP-3Cを保有しています。
P-3Cも寄る年波に勝てず老朽化しており、韓国海軍としてはこれまで
米海軍で用廃となり保管されている中古機「S-3B」20機を導入する方針などと報じられていました。
(価格面で折り合わず交渉は中断)
韓国軍のP-8導入計画
韓国海軍の海上哨戒機導入には1兆9000億ウォン(現行レートで16.8億ドル)を投入し6機のP-8A(1機2200億ウォン:現行レートで約2億ドル)を購入という話です。
注:P-8Aポセイドン4機のニュージーランドへの売却価格は14.6億ドル
韓国の予算で6機買うのは難しいような気もしますが、いつものようにエンジンや修理部品などを後回しにするやり方をとるのでしょうか
注:4機という情報もあります。
因みに米海軍ではP-8Aでは低空飛行をあきらめ高度2000ft(600m)以下ではオペレーションしないことからMAD(磁気探知機)は搭載せず、魚雷にも羽を付けて誘導する方式をとっています。
更に低空の監視にはUAV(無人機)を導入する計画で、このUAVが1機100億円くらいかかるはずですから、この辺りのオペレーションを韓国海軍はどのようにするつもりなのか興味深いところです。
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