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マラバール2018、日米印共同演習終了、対中国包囲網の強化へ

最新の動向

 

米第7艦隊は、2018.6.19みグアム近海で行われた日米印共同訓練「マラバール2018(Malabar 2018)」が終了したと発表しました。

日米印の海上における軍事協力関係が強化されれば結果的に、南沙諸島の状況などをふまえ、対中包囲網の強化に繋がるのでしょうか。

 

マラバール2018
マラバール2018US Navy HPから

マラバールとは

「マラバール」はアメリカとインド海軍が1992年に開始し、毎年行われている共同演習で2015年から海上自衛隊も正式参加国として定期的に参加するようになっています。

(単発的に2007、2009、2014にも海自が参加)

マラバールはインドの南部の一帯の海岸を指す地名で、元々は米印の共同訓練から立ち上がっています。

 

インド近海(ベンガル湾など)で行われることが多かったですが2015以降はインド洋と西太平洋交互に行われるようになっており、今回の演習ではグアム周辺海域で演習が行われています。

インド洋およびアジア太平洋における脅威に対する認識を共有し、参加国間の相互運用性を構築することを目的に継続的に行われてる共同演習ですが、対象は近年著しい増強を続けている中国海軍を念頭に置いていると考えられます。

 

中国もマラバール演習には反発、注視しており、今回の演習にもドンディア級情報収集艦(天枢星:艦番号855)を派遣して情報収集を行っています。

 

参考:東調級情報収集艦(英語:Dongdiao-class Electronic Reconnaissance Ship, Dongdiao-class Auxiliary General Intelligence ship, AGI。NATOコード:Dongdiao class、中国語:東調級電子偵察船、东调级电子侦察船)
中国海軍ドンディア級情報収集艦
海自HPから


マラバール2018の演習の概要

演習期間は2018.6.8~6.16

演習の重点目標は、戦闘力、海上優勢の獲得、戦力の投射で、日米印の3カ国の海上相互運用性を訓練目標としています。

 

グアムの陸上基地では、会場の哨戒監視、対潜戦、医療活動、ダメージコントロール、ヘリの運航、船舶の運航統制などの指揮通信訓練を実施したほか

3カ国の隊員によるサッカー、バレーボール、バスケットボールの親善試合が行われています。

 

グアム西方からフィリピン海にかけての海上エリアでは、3カ国の実施する作戦の調整、多国籍間における戦術、作戦の計画及び作戦遂行能力の向上を目指し、相互に専門の担当者を派遣し、防空、対水上戦、通信、捜索救難、ヘリの相互着艦、対空射撃、対潜戦などの訓練を行いました。

 

マラバール2018演習海域

参加兵力

海上自衛隊参加兵力

第2護衛隊群(隊員約750名)

ヘリ搭載護衛艦いせ(DDH-182)

護衛艦ふゆづき(DD-118)

護衛艦すずなみ(DD-114)

搭載ヘリ5機(SH-60)

 

潜水艦そうりゅう(SS-501)(隊員約80名)

 

第32飛行隊P-1×2機(機番号:5505、5508)(隊員約40名)

 

いせ(海自HP)
DDHいせ

ふゆづき(海自HP)
DDふゆづき

すずなみ(海自HP)
DDすずなみ

SH-60K(海自HP)
SH-60K

そうりゅう(海自HP)
SSそうりゅう

P-1(海自HP)
海自哨戒機P-1

米海軍参加兵力

空母ロナルド・レーガン(CVN-76)

ミサイル巡洋艦アンティータム(CG-54)

ミサイル巡洋艦チャンセラーズビル(CG-62)

ミサイル駆逐艦マスティン(DDG-89)

ロサンゼルス級潜水艦(SSN-?)

 

P-8哨戒機

 

ロナルド・レーガン(US Navy HP)
米空母ロナルド・レーガン

アンティータム(CG-54 FBより)
CG-54

チャンセラーズビル(CG-62 FBより)
CG-62

マスティン(DDG-89 FBより)
ddg-89

ロス級SSN(usn HP)
米海軍SSNロス級

P-8哨戒機(wikiより)

 

インド海軍参加兵力

シヴァリク級フリゲート(Shivalik Maiden Sortie.jpg):F49INS Sahyadri(サヒャディー)

ディーパク級補給艦 INS シャクティー(A57)

P-8哨戒機

シヴァリク級フリゲート(wikiより)
シヴァリク級フリゲート

まとめ

マラバールは当初は米印の2国間の訓練であったものが、日本が正式参加国として入ることで、対中包囲網の一環という位置づけが強く出てきたと思います。

 

特に、中国の南沙諸島での動きに対抗して、西太平洋からインド洋における日本のシーレーン防護において、この地域の大国である日米印が軍事的に協力関係にあるということは大きな意味があると言えるでしょう。

 

逆にいえば中国から見ればずいぶんと目障りな演習に映ると思います。

今後、この演習が更に発展していくとすれば、西太平洋からインド洋における大きな台風の目ともなるのかもしれません。

 

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